東京工業大学 「線形代数学第一 W(池田 和正)」の過去問・演習問題の解答・授業ノートを探して単位を取得!

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線形代数学第一 W

大学名東京工業大学
授業名線形代数学第一 W
担当教官池田 和正
時間割水曜日1-2時限開講 S634
単位講義:2 
※詳細な情報はこちらでご確認ください

指定教科書

池田和正「線形代数」(日本評論社)

線形代数学講義
対馬 龍司
共立出版

授業計画

教科書に沿って進め, 60分講義, 30分小テストをする予定です.
日本人で, ノーベル経済学賞に最も近いとされる数学科出身のある学者がシカゴ大学で教えていたときには,
毎回, 試験形式で授業をやっていたそうです. 問題を配って, 解かせながら, 机間巡視を行い,
質問に答える形式は, 数学のような思考系の科目の学習には最も効率が良い講義法です.
他人の話を聞いたり, 本を読むより, 自分の頭で問題を考えて, 自分の手を動かして計算した方が
ずっと理解が進みます. 私も, TA が付く大学ではこの方法をとっています. TA が付かない場合も
複数回の中間試験という形でこの方法を行ったこともあるのですが,
作問や採点に膨大な手間がかかるため止めました.
小テストは, これらの代替物です.
小テストは, 授業のフィードバックの意味もありますが,
わからないことの質問や, 教室の不具合(寒い暑い, 暗い眩しい,
広くて声が聞こえない, 黒板が遠い小さい隠れる白くなる
チョークの乗りが悪いetc.)の文句も書いていただいて構いません.
多数意見の場合, 大学側へ報告して, 教室変更などの交渉をします.
授業に集中してもらうため, プリント配布は, なるべく,
1講義1枚までに留めます.
部屋が暗くなると眠くなるし, ノートが取りにくいので,
OHP やパワーポイントによる授業は行いません.
他人のノートの複写などの資料を集めて安心してしまうことのないように.
試験の日程など, 変更の可能性があるので, 授業中の指示を聞き逃さないこと.
回 実施日 内容
01 04/07 正比例と線形性, 行列の積, 零因子, 非可換性, 零行列, 加法の単位元, 単位行列, 乗法の単位元.
02 04/14 転置, 内積, 対称行列, 交代行列, 上三角行列, 下三角行列, 回転, 折り返し, 正射影,
連立方程式を行に関する基本変形で解く.
03 04/21 逆行列. 行に関する基本変形で逆行列を出す.
04 04/28 階数. rank(拡大係数行列)=rank(係数行列)+1 だと解なし.
☆ 05/05 こどもの日で休み.
05 05/12 列に関する基本変形. 基本変形を表す行列. { m rank}A={ m rank}{}^tA. 列ベクトルの一次独立な最大本数.
2本のときの一次独立. 3本のときの一次独立.
06 05/19 行列式の幾何的意味. S_n, あみだくじと sign(σ), 差積, 転倒数,
det A=?_{σ ∈ S_n}sign(σ)Π_{i=1}^n a_{iσ(i)}. サラスの方法.
☆ 05/26 創立記念日で休み.
07 06/02 行列式の行に関する多重線形性. 交代性. 行に関する基本変形. 上三角行列の行列式.
det A=det tA. det (AB)=(det A)(det B). クラメールの公式. 余因子行列と逆行列.
08 06/09 前期中間試験.
09 06/16 中間の復習. ラプラス展開.
10 06/23 2次の行列式は平行四辺形の符号付き面積. 外積を特徴付ける3つの3性質.
11 06/30 3次の行列式は平行六面体の符号付き体積. n 次の行列式の幾何的意味. 巡回行列の行列式.
ファンデルモンドの行列式. 平面の式.
12 07/07 3直線と行列式. 固有値. 固有ベクトル. 対角化, 行列の $n$ 乗. 固有方程式. スペクトル分解.
13 07/14 マルコフ過程. 確率行列の $n$ 乗. 定常状態.
14 07/21 線形空間. 閉じている. 体. 環. 加法群. 一次独立と一次従属. 「ならば」の否定. ベクトルが1本のとき.
ベクトルが2本のとき. ベクトルが3本のとき.
15 07/28 前期期末試験.
シラバスを一度決めたら2度と変えないといった, お役人的姿勢はとリません.
生徒の大半を置いてけぼりにするような講義では意味がないので, 生徒の顔を見たり, 小テストで理解度を調べながら,
臨機応変に取捨選択して講義します.
手に取って扱える具体例を挙げて講義し, 定義→定理→証明の羅列といった抽象論は避けます.
なお, 学校は接客業ではないので, 「満足度」の向上を目指して授業することはありません. 「満足」は「幸福」と同じで,
よそ様から与えられるものではありません.
今, 辛い思いをして頑張ると, あのとき勉強してて良かったと, 30歳, 40歳になって感じます.
逆に, 怠けて楽をすると, 勉強しておけばよかったと将来, 痛切に感じることになります.
そのときになって初めて, 過去の自分の態度が満足いくものであったかどうかが判断できるようになります.
教室で「熱意」を演出することもありません. 黒板に向って淡々と授業をします.
年配の知人が電話での「熱心」な勧誘に根負けして, あるサービスを購入したことがあります.
初期契約が30万円, その後事あるごとに請求書が来て大変な目に会いました.
「熱意」とは内容をカモフラージュする道具の一つだととらえた方が賢い社会人になれます.

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